2015年 第76回応用物理学会秋季学術講演会

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一般セッション(口頭講演)

12 有機分子・バイオエレクトロニクス » 12.4 有機EL・トランジスタ

[15p-1G-1~19] 12.4 有機EL・トランジスタ

2015年9月15日(火) 13:15 〜 19:00 1G (レセプションホール2)

座長:松井 弘之(東大),飯野 裕明(東工大)

13:15 〜 13:45

[15p-1G-1] [有機分子・バイオエレクトロニクス分科会業績賞受賞記念講演] 誘電分極現象としての有機膜のキャリヤダイナミックス評価:
電界誘起光第2次高調波とマックスウェル変位電流

〇岩本 光正1 (1.東工大 理工)

キーワード:電界誘起光第2次高調波、マックスウェル変位電流、有機エレクトロニクス

有機薄膜や有機デバイス内を運動する電子や正孔の挙動を電界誘起光第2次高調波(EFISHG)法によって評価する手法、界面単分子膜の双極子回転の挙動をマックスウェル変位電流(MDC)によって評価する方法を考案してきた。EFISHG法では、有機材料内のキャリヤの挙動が観測可能であるとなる。有機デバイスにはいずれも「キャリヤの振る舞い」無くしては動作しない。したがって、開発した手法は、有機デバイス全般のキャリヤ挙動の解析に適用できる。一方、MDC法では、双極子が起源となって発生する電界の様子が変位電流として観測される。単分子膜レベルで観測可能であることから、この電流を通じて有機分子の構造変化なども観測可能である。以上、誘電現象としての着眼から始まった本研究は、有機デバイス内のキャリヤの動作はもとより有機膜の分極構造の理解へと展開している。