2016年 第77回応用物理学会秋季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

2 放射線 » 2.2 検出器開発

[13p-B12-1~18] 2.2 検出器開発

2016年9月13日(火) 13:00 〜 18:00 B12 (展示控室4A-4B)

人見 啓太朗(東北大)、前畑 京介(九大)、青木 徹(静岡大)

14:45 〜 15:00

[13p-B12-7] [講演奨励賞受賞記念講演] 超薄膜単結晶ダイヤモンドを利用した透過型荷電粒子検出器の開発

加田 渉1、神谷 富裕2、Grilj Veljko3、Skukan Natko3、Sudić Ivan3、Pomorski Michal4、牧野 高紘2、安藤 裕士1,2、小野田 忍2、花泉 修1、Jakšić Milko3、大島 武2 (1.群馬大理工、2.量研機構高崎研、3.RBI、4.CEA-LIST)

キーワード:ダイヤモンド、透過型検出器、アバランシェ効果

本研究では、局所的に薄膜化された単結晶ダイヤモンドを利用した荷電粒子検出器を開発し、その特性を評価した。生体等価性や優れた電気特性が注目される一方で、既存ダイヤモンド検出器では、荷電粒子照射下での電荷収集効率の過渡減衰効果が観察されている。本効果を抑制し、より優れた照射耐性を有する検出器を開発するため、単結晶ダイヤモンドに反応性イオンエッチングを施すことで膜厚数μm程度の部分的薄窓構造を有する検出器を開発した。本検出器に対する照射試験において、照射耐性の大幅な改善及び過渡減衰効果の抑制が確認された。また本構造は、±1V/μmを大幅に上回る電界強度を印加可能であり、特に±20 V/μm以上では、電荷収集効率飽和後に印加電圧に比例し電荷信号強度が増幅される領域を確認した。本実験結果により、本検出器構造はダイヤモンドが元来有する優れた電気特性を最大限に引出す検出器の実現に最適であると考えられる。