2017年第64回応用物理学会春季学術講演会

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CS コードシェアセッション » CS.7 3.11フォトニック構造・現象,13.7ナノ構造・量⼦現象のコードシェアセッション

[15p-E205-1~21] CS.7 3.11フォトニック構造・現象,13.7ナノ構造・量⼦現象のコードシェアセッション

2017年3月15日(水) 13:15 〜 19:15 E205 (E205)

浅野 卓(京大)、北 翔太(NTT)、宮澤 俊之(富士通研)

18:30 〜 18:45

[15p-E205-19] 量子ドットナノレーザにおける無閾値レーザ発振の実現

太田 泰友1、角田 雅弘1、渡邉 克之1、岩本 敏1,2、荒川 泰彦1,2 (1.東大ナノ量子、2.東大生研)

キーワード:量子ドット、フォトニック結晶、ナノレーザ

無閾値レーザ発振では、励起強度-光出力カーブにおいてキンク(閾値動作)を示さずに、自然放出状態からレーザ発振状態に遷移する。これは、自然放出結合定数(β)が極めて1に近づいた際に発現することが知られており、それゆえ無閾値レーザは、高β化によるレーザ高性能化の一極限と考えることも可能である。一方、その発振の確認を光出力カーブのみで行うことは不適当であり、コヒーレンス特性などついての多角的な実験観測が必要となる。その意味で、特に量子ドット(QD)系において、明確な無閾値レーザ発振を報告した例は知られていない。今回我々は、量子ドット⁻フォトニック結晶(PhC)ナノ共振器系に対して共振器共鳴励起を用い、直線的な光出力カーブを示す無閾値レーザ発振を実現した。そのレーザ発振状態への遷移は、出力強度、線幅、2次コヒーレンス関数、緩和振動などの多角的な実験観測により確認した。