2017年第64回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(ポスター講演)

13 半導体 » 13.2 探索的材料物性・基礎物性

[15p-P13-1~11] 13.2 探索的材料物性・基礎物性

2017年3月15日(水) 16:00 〜 18:00 P13 (展示ホールB)

16:00 〜 18:00

[15p-P13-9] Geのピエゾ抵抗効果

松田 和典1、檜原 優希1、長岡 史郎2、神田 洋三3 (1.徳文大理工、2.香川高専詫間、3.東洋大工)

キーワード:ゲルマニウム

半導体にはピエゾ抵抗効果が通常の導体のおよそ100倍もあることが知られている。本講演ではGeのピエゾ抵抗の理論モデルについて述べる。Geでは結晶歪によってバンド分離が起こり,引張応力では重いホールの数が増して電気抵抗が増すため,ピエゾ抵抗係数が正になる。そしてスピン・スプリットオフ・バンドと軽いホールバンドとのバンドの混成による影響でも引張応力で軽いホールの有効質量が大きくなるので抵抗が増え,ピエゾ抵抗係数が正となることが言える。縦方向のピエゾ抵抗係数は結晶歪がない場合の重いホールと軽いホールの有効質量の差にほぼ比例するが,室温では重いホールの数は軽いホールの数の約5倍であるので,ほぼ重いホールの数の変化がピエゾ抵抗係数に影響する.横方向のピエゾ抵抗係数は符号が縦方向の逆になる。これらの特徴を踏まえて,室温の有効質量を使ったモデルについて議論する。