2019年第80回応用物理学会秋季学術講演会

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一般セッション(口頭講演)

12 有機分子・バイオエレクトロニクス » 12.1 作製・構造制御

[20a-E202-1~10] 12.1 作製・構造制御

2019年9月20日(金) 09:00 〜 11:45 E202 (E202)

葛原 大軌(岩手大)、丸山 伸伍(東北大)

11:15 〜 11:30

[20a-E202-9] 一軸配向したポリテトラフルオロエチレンの表面に固有な原子溝エピタキシー

田中 利彦1,2,3、青山 哲也2、石飛 昌光3、佐藤 未英4、ソ ヒス4、川口 純奈4、松本 真哉2,4、梅澤 洋史1、村中 厚哉2、内山 真伸2,5 (1.福島高専、2.理研CPR、3.ASET住友化学研究室、4.横国大院環情、5.東大院薬)

キーワード:ポリテトラフルオロエチレン、分子配向、エピタキシー

第一著者はPTFEの摩擦転写膜を基板とする分子配向技術に関するヴィットマンとスミスの報告に魅了され4半世紀近く研究を行って来た。この基板は広範な物質、すなわちさまざまな形状や大きさの分子、無機固体、ナノ複合材料、ナノ粒子、ナノチューブ、等の配向薄膜を作製出来る一方、特定の線形分子の場合に極めて高い配向度を有する薄膜を実現できる。現在までに二つの知見が得られた。第一にPTFEはその表面に固有な原子溝によって分子を配向させる。分子鎖はフッ素の大きさと電荷による立体障害によってねじれてヘリックスを生じて表面の分子鎖間には他の高分子に比べてやや深い溝ができ、かつそこは強く負に帯電している。この効果はある種の分子動力学計算と実験の相関によって確かめた。第二に非イオン性の色素分子からしばしば配向したJ会合体を含んだ配向薄膜が得られる。広範の色素分子からJ会合体を作製できる可能性がある。