2021年第82回応用物理学会秋季学術講演会

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一般セッション(口頭講演)

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[10p-N206-1~13] 2.2 放射線物理一般・放射線応用・発生装置・新技術

2021年9月10日(金) 13:30 〜 17:00 N206 (口頭)

越水 正典(東北大)、藤原 健(産総研)

14:15 〜 14:30

[10p-N206-4] カスケード核種の角度相関変化を利用した量子pHセンシング技術の検討

泉水 史樹1、上ノ町 水紀2、島添 健次1,3、ZHONG ZHIHONG1、鎌田 圭4、富田 英生3,5、高橋 浩之1 (1.東大、2.理研、3.JSTさきがけ、4.東北大、5.名古屋大)

キーワード:量子センシング、角度相関、カスケード核種

崩壊過程で同時に複数のガンマ線を放出する核種をカスケード核種と呼ぶ。カスケード崩壊における複数ガンマ線の放出角度はランダムではなく、核種の局所的な周辺環境に依存した角度相関が存在する。本研究では、カスケード核種の角度相関変化を測定することで、放射性同位元素周囲のpHや化学状態を検出する新しい量子センシング手法を提案、検討する。原理検証実験にあたり、111InCl3水溶液を異なるpH環境へ調整し角度相関変化を測定、原液を構成データとした時、pH3以上の環境では180度方向付近への放出が5%程度の上昇、90度方向付近での放出は5%程度の低下を観測した。複数のサンプルを同時に測定し、視覚的には捉えきれない溶液のpH情報について、角度相関変化の計測から分離に成功した。