The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[II-29-13_15] 栄養・飼養(II-午前)

Fri. Mar 29, 2019 11:00 AM - 11:30 AM 第II会場 (8号館8302講義室)

Chairman:Sanae Asano

11:20 AM - 11:30 AM

[II29-15] 液化仕込み清酒粕給与が肥育後期未経産雌牛のルーメン液性状、成長成績、枝肉形質および肉質に及ぼす影響

Yamauchi Momo1, Oguri Michimasa2, Tsutsumi Hiroko3, Katsumata Sachi1, Oishi Kazato1, Hirooka Hiroyuki1, Kumagai Hajime1 (1.Graduate School of Agriculture, Kyoto Univ., 2.Oguri Farm, 3.Research Institute, Gekkeikan Sake Co. Ltd.)

【目的】液化仕込みの清酒は,従来の製法と異なり米を高温で糖化させた後に発酵させて製造するため,その粕(液化粕)には酵母由来のタンパク質が多く残存しており飼料利用が期待される.本研究では,肥育後期未経産雌牛への液化粕給与がルーメン液性状,成長成績,枝肉形質,肉の理化学特性および筋肉内脂肪酸組成に及ぼす影響を検討した.【方法】肥育後期の黒毛和種未経産雌牛23頭(開始時月齢: 25.8±0.6)を用い,濃厚飼料の乾物で5%量を生液化粕(T区)および大豆粕(C区)で代替する2区を設けた.1週間の馴致後,4か月以上試験飼料を給与し,出荷した(終了時月齢: 31.2±0.8).試験個体の半数の11頭より,試験開始4か月後の午前給餌前と給餌4時間後にルーメン液を,また同日午前給餌前に頸静脈より血液を採取した.屠畜後にはルーメン液・血液を採取した個体のうち枝肉等級が近いものからランダムに枝肉サンプルを採取し,肉の理化学分析および筋肉内脂肪酸組成の分析を行った.【結果】第一胃液中プロトゾア数および給餌前の第一胃液中iso-酪酸濃度はT区が低く(P<0.05),血漿中総コレステロール濃度およびリン脂質濃度はT区が高かった(P<0.05).成長成績,枝肉形質,肉の理化学分析値および筋肉内脂肪酸組成に差は認められなかった.以上より液化粕の給与は,肥育後期未経産雌牛の生産性を低下させないことが示唆された.