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[IX29-30] 新生黒毛和種子牛における哺育期の管理方法の違いが発育性および腸内細菌に及ぼす影響
【目的】黒毛和種の哺育期における飼養管理は,従来からの母子分離をしない母子同伴,新たな方法として母子分離後の単子飼育や自動哺乳機を利用した群飼育の3つが存在する.それぞれの飼養管理方法が子牛の生産性に及ぼす影響は明らかになっていない.本試験では異なる飼養条件が子牛の発育性および腸内細菌に及ぼす影響について検討した.【方法】黒毛和種子牛を生時体重および雌雄により,無母子分離(NS)区,単子(SB)区,群飼(GB)区,に各区8頭に分け管理した.生後10日齢までを馴致期間とし,10週間の試験を実施した.試験期間中は週に一度,体重測定および血清生化学検査を実施し,同日の糞便中各種菌数を分析した.下痢発生については下痢スコアを毎日記録した.【結果】体重はNS区とGB区がSB区よりも高く推移し,終了時体重より単子での飼育よりも母子または群での飼育をすることで発育性の改善が期待された.糞便中のE. coliやClostridium perfringensの菌数について,SB区が他の2区よりも低く推移したが,下痢発生日数については違いが認められなかった.このため,本試験では特定の細菌と下痢発生の関連については明らかにならなかった.また,各種腸内細菌数は飼養管理による菌数の違いは認められたものの,いずれも個体差による影響が大きいことが考えられた.