The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

[P-29-01_19] Poster session

Fri. Mar 29, 2019 9:00 AM - 3:30 PM ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-18] 胎子品種が異なる乳用未経産牛の妊娠末期や分娩直後、臍帯および産子の血液性状の差異

川島 千帆, 粂 咲良, 山岸 則夫 (帯畜大畜産)

【目的】肥育素牛確保や難産回避のため,ホルスタイン種に黒毛和種の精液授精や受精卵移植が行われているが,その場合の母牛や胎子の栄養要求に関する情報は少ない.そこで胎子品種が異なる乳用未経産牛の妊娠末期と分娩直後,分娩時の臍帯やその産子の血中代謝物・代謝ホルモン・アミノ酸濃度を比較した.【方法】胎子がホルスタイン種(ホル;5頭)と肉用種(黒毛和種;4頭,F1;3頭)のホルスタイン種初妊牛12頭に対し分娩予定2週前・1週前および分娩直後,加えて分娩時の臍帯静脈,出生直後の産子の血液を採取し,代謝物や代謝ホルモン,アミノ酸濃度を胎子品種間(ホルと肉用種)で比較した.【結果】肉用種妊娠牛はホル妊娠牛に比べて,血中インスリン濃度が分娩前から分娩時にかけて,アルギニンやイソロイシン,オルニチン濃度は分娩2週前に高く,アラニン濃度は分娩時に低かった(P<0.05).肉用種子牛はホル子牛に比べて,血中メチオニンやアルギニン,グリシン等6種類のアミノ酸濃度が低く(P<0.05),リジンやグルタミン酸等など8種類のアミノ酸濃度が低い傾向にあった(P<0.1).また,分娩時の肉用種臍帯静脈血はホルに比べて,リジン,アラニン,ヒスチジン濃度が低い傾向にあった(P<0.1).以上より,胎子が肉用種のホルスタイン種初妊牛は同品種妊娠牛に比べてエネルギー状態が良好で,胎子のアミノ酸要求も少ないことが示された.