The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

[P-29-20_38] Poster session

Fri. Mar 29, 2019 9:00 AM - 3:30 PM ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-29] 光干渉断層撮像(OCT)によるウシ胚の 3 次元画像解析

増田 康充1, 長谷部 涼2, 黒見 靖2, 小林 正嘉2, 岩元 美咲3, 菱沼 貢3, 大林 徹也4, 西村 亮3 (1.鳥取畜試, 2.(株)SCREEN ホールディングス, 3.鳥取大獣, 4.鳥取大研推機構)

【目的】光干渉断層撮像(OCT)技術は,生体透過性に優れ,非侵襲的に生体内情報を横断断層画像として描出する技術であり,ヒトでは眼科診断に用いられているが,ウシ胚の撮像およびその応用を検討した例はない.我々は OCT を用いた高深度断層撮像システム(SCREENホールディングス製)によりウシ胚の内部構造を含む立体画像を構築し,胚の構造を複数の項目に分けて定量化することでウシ胚の品質を判定する手法の確立を試みた.【材料および方法】実験には,常法に従い作出したウシ体外胚を供した.体外受精後 7 日目に胚盤胞まで発育した胚の形態を本システムで撮影した後,培養を 10 日目まで継続しハッチングの有無を観察した.撮影したウシ胚の 3 次元画像から内細胞塊(ICM),栄養外胚葉(TE),胞胚腔および全体の体積を含む 34 項目を定量化し,ハッチング区と非ハッチング区に分けて比較した.【結果】本システムでウシ胚の内部構造を 3 次元的に観察することができた.ハッチング区は非ハッチング区と比較して胞胚腔の平均径が長く,TE + 透明帯,TE + ICM および胞胚腔の体積が有意に大きかった.本研究において,ヒト胚の品質の指標(Gardner 分類)を,ウシ胚でも数値化することができた.また,TE や胞胚腔の体積がハッチングの有無に影響したことから,これらがウシにおける良質胚判定の指標となることが示唆された.