[P29-61] ビタミンB6添加における卵殻色への影響
【目的】鶏の褐色卵殻色素はプロトポルフィリンに由来する.プロトポルフィリンの前駆体であるデルタアミノレブリン酸(ALA)はグリシンとスクシニルCoAの縮合反応であるALAシンターゼ(ALAS)により生じる.その後,コプロポルフィリノーゲンを経てプロトポルフィリンを合成する.ビタミンB6はALASの補酵素として働くとされている.また,養鶏業界では加齢による褐色卵殻色素の退色が問題となっている.そこで,24ヶ月齢を越えた鶏へのビタミンB6添加による卵殻色の変化を検討した.【方法】供試鶏として24~30ヶ月齢のロードアイランドレッド11羽を用いた.対象区:配合飼料を毎朝90g給餌した.産出された卵は洗浄し,割卵した.その後卵殻を24時間乾燥させ,卵殻色のL値,a値,b値を分光測色計で測定した.添加区:4.0mg,40mgのビタミンB6をそれぞれ配合飼料90gに添加し,対象区と同様に給餌した.産出された卵も対象区と同様に卵殻色を測定した.【結果】ビタミンB6の4.0mg,40mg添加区の産卵率は対象区と比べ有意な差は認められなかった(p>0.05).卵殻の色素測定値の白色から黒(明るさ)を示すL値は対象区に比べ低下する傾向にあった.赤色から緑色を示すa値,黄色から青色示すb値は増加する傾向にあった.しかし,L値,a値,b値ともに有意差は認められなかった(p>0.05).