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[VI29-30] 乳牛評価における気質・搾乳性形質の線形アニマルモデルへの検討
【目的】現在の気質と搾乳性の評価は,閾値サイアMGS(母方祖父)モデル(従来モデル)で行っており,種雄牛のみ評価値を持っているが,今後は雌牛についても評価値を持たせたいと考えている.また,現行の国内評価において,気質のGEBVtestが国際評価の基準を満たさないためゲノミック評価の公表に至っていない.そのため今後は,線形アニマルモデル(新モデル)を使ってゲノミック評価の精度の改善を行いたいと考えている.そこで,本研究では気質と搾乳性の従来モデルと新モデルの比較検討を行った.【方法】材料は家畜改良センターが2018年8月評価および2014年8月評価で使用した体型データを用いた.前者のデータからTHRGIBBS1F90プログラムを使い,新モデルの遺伝的パラメーターの推定を行った.次にBLUP法アニマルモデルにより標準化育種価(SBV)を推定し,後代検定済種雄牛に関して従来モデルとの積率相関を得た.最後に両モデルのゲノミック評価値(GPI)をマルチステップ法により算出し,そこから得られる実現信頼度の増加量を従来評価値(PI)と比較した.【結果】新モデルの遺伝率は気質で0.09,搾乳性で0.23であった.従来モデルとの積率相関は気質で0.93,搾乳性で0.96であった.PIとGPIの実現信頼度の増加量は新モデルの気質では+0.07,搾乳性では+0.14であり従来モデルと比べて増加していた.