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[VI29-31] 黒毛和種繁殖雌牛の体尺測定値と繁殖性間の因果構造解析
【目的】黒毛和種繁殖雌牛の登録審査時の体尺測定値(栄養度,胸囲および体高または寛幅の3形質)と繁殖成績(初産分娩時月齢および分娩間隔の2形質)の計5形質間(2データセット)の因果構造および効果の推定を行った.【方法】家畜改良センターの4牧場で測定された,黒毛和種繁殖雌牛の1,201記録を分析に供した.遺伝的パラメータの推定は,多形質アニマルモデルを用いたGibbs sampling法により行い,その残差(共)分散に対して,異なる事後最高密度を適用したICアルゴリズムで因果構造を検出した.検出された因果構造を基に構造方程式モデルを構築し,因果効果を推定した.【結果】どちらのデータセットでも,栄養度が高くなると胸囲が大きくなる因果効果が推定され,胸囲が大きくなると体高(または寛幅)が大きくなる効果が推定された.また,どちらのデータセットでも,初産分娩時月齢が分娩間隔に影響を与える因果構造が推定されたが,その効果は有意でなく正負も異なっていた.このため,栄養度または初産分娩時月齢が分娩間隔に与える影響,および栄養度が初産分娩時月齢に与える影響をそれぞれ2形質の単純化したモデルで推定した結果,栄養度が初産分娩時月齢に与える影響だけが有意であった.