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[VIII29-06] 脂肪細胞が筋細胞の筋線維型決定に及ぼす影響
【目的】私たちは,筋細胞を脂肪細胞と共培養すると,筋分化が抑制されて新生筋線維の形成が阻害されること,分化抑制効果は脂肪細胞の成熟度とともに大きくなることを報告した(第120,122回本大会).本研究では,脂肪細胞との共培養が筋線維型に及ぼす影響を検討した.【方法】3T3-L1脂肪前駆細胞を脂肪分化誘導培地で2日間培養した後,脂肪分化維持培地で8, 10, 12または14日間培養した.培養終了9時間前に無血清Opti-MEM培地に交換し,培養終了時に培養上清を回収した.筋分化誘導したC2C12筋細胞を各培養上清を用いて1日間培養した後,細胞画分からタンパク質を調製した.筋線維型の制御に関わる因子であるSema3AおよびPPARδ,ならびに筋線維型ミオシン重鎖アイソフォームのタンパク質発現量をウエスタンブロットで測定した.【結果】Sema3A, PPARδおよび遅筋型ミオシン重鎖の発現量は,いずれの培養上清で培養した筋細胞もコントロール(Opti-MEMで培養した筋細胞)と比べて差はなかった.しかし,8および10日間脂肪細胞を培養した培養上清を用いて培養した筋細胞では,速筋型ミオシン重鎖の発現量がコントロールと比べて高くなった.以上の結果から,脂肪細胞は筋細胞の筋線維型決定にも関与していることが示唆された.