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[I-18-03] 同一農場において肥育豚は増体に関連して異なる腸内細菌叢を持つ
【目的】腸内細菌叢が養豚生産性に影響を及ぼすと考えられるが,同一農場において異なる増体を示す肥育豚に特徴的な腸内細菌叢がみられるかは明らかでない.本研究では国内農場にて肥育豚の増体および腸内細菌叢を解析した.【方法】母豚5頭から分娩されたLWD子豚計53頭を用いて,1日齢から138日齢まで体重測定を計8回 ,糞便採取を計7回実施し,糞便から細菌DNAを抽出し,次世代シーケンサーによるメタゲノム解析を行った.【結果】138日齢における体重は83.7±10.3kg(平均±SD),通算日増体量は598±73gであった.各日齢における属レベルの占有率と通算日増体量との関係をみた結果,計32の細菌属で占有率と通算日増体量に有意な相関がみられ(P<0.05),20日齢において2細菌属,32日齢において6細菌属,39日齢において6細菌属,69日齢において12細菌属,117日齢において8細菌属,138日齢において7細菌属の占有率に通算日増体量との有意な相関がみられた.6日齢において通算日増体量と有意な相関を示す細菌属はみられなかった.11細菌属は複数日齢において通算日増体量との有意な相関がみられた.Firmicutes/Bacteroidetes比,α多様性指数,総菌数については通算日増体量との間に有意な相関はみられなかった.腸内細菌叢は若い日齢から肥育豚の増体に影響を及ぼす可能性が示唆された.