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[I-18-04] ホルスタイン種去勢牛における静脈血と門脈血中のアンモニア濃度とタウリン、ハイドロキシプロリンおよびメチオニン濃度の比較
牛におけるアミノ酸動態についての報告は少ない.本研究は肝機能が正常と考えられる牛において静脈血と門脈血を用いてアミノ酸の体内動態について調査することを目的とした.材料は臨床的に健康と判断されたホルスタイン種去勢牛5頭(生後11.8±0.4ヶ月齢, 379±5kg)を用いた.採血は2週間隔で2回実施した.静脈血は頸静脈から,門脈血は超音波画像診断装置を用いて画像を確認の下で実施した.検査項目は血清生化学検査としてアルブミン(ALB),グルタミル酸オキザロ酢酸トランスフェラーゼ(GOT),γグルタミルトランスペプチダーゼ(GGT),アンモニア(NH₃),総コレステロール(T-CHOL),遊離脂肪酸(FFA)と,アミノ酸としてタウリン(Tau),ハイドロキシプロリン(Hypro)およびメチオニン(Met)を測定した.結果,血清生化学検査ではNH3が静脈血中濃度より肝門脈血中濃度が著しく高い値を示した.その他の項目では有意差は認められなかった.アミノ酸はHyproでは門脈血中濃度が静脈血喉と比較して高値を示した.TauとMetは門脈血中濃度が静脈血中濃度と比較して低値を示した.以上の結果から肝機能に異常を認めない牛においてはNH₃とHyproは肝臓において代謝されるが,TauとMetは生体内で恒常性が調節されていることが示唆された.