日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養

2019年9月18日(水) 13:30 〜 17:20 第I会場 (ぽらんホール(8番講義室))

座長:松井 徹(京大院)、松崎 正敏(弘前大農生)、寺田 文典(東北大院農)、小櫃 剛人(広島大院生物圏)、樋口 幹人(農研機構中央農研)、杉野 利久(広島大院生物圏)

15:10 〜 15:20

[I-18-10] 破砕トウモロコシ子実サイレージの発酵品質の経時的変化

*神園 巴美1、嶝野 英子1、河本 英憲1、内野 宙1、出口 新1、藤竿 和彦1 (1. 農研機構東北農研)

【目的】近年,エネルギー飼料源として子実用トウモロコシの自給への取り組みが活発化している.本報告では,トウモロコシ子実サイレージの発酵動態を把握するために,実験室レベルで破砕トウモロコシ子実サイレージを調製し,サイレージ調製に伴う発酵品質の経時的変化を調査した.【方法】2017年および2018年にコンバイン収穫されたトウモロコシ子実を供試し,それぞれを15mmメッシュ装着の飼料用米破砕機(ミリングマシン,株式会社タカキタ)により破砕した後,パウチサイレージに調製した.なお,ミリングマシン破砕時に市販乳酸菌製剤サイマスターLP(2017年使用),または畜草2号(2018年使用)(雪印種苗株式会社)を添加した.サイレージは20℃の制御環境下で貯蔵し,貯蔵0,7,14,30,60日に各区3パウチずつ開封した後にpHと有機酸含量を測定した.【結果】乳酸菌添加後の破砕トウモロコシ子実の水分含量は,26%から28%の範囲であった.pHは貯蔵0日で6.2から6.3の範囲を示し,貯蔵14日では4.1から4.4の範囲まで低下した.乾物中の乳酸含量は,貯蔵7日から60日にかけて,0.54%から1.63%の範囲で増加した.プロピオン酸および酪酸含量は不検出(<0.01%乾物)であった.以上から,水分26-28%の破砕トウモロコシ子実では速やかに乳酸発酵が進行し,pHが低下することが示された.