栄養・飼養

[I-18-12] 乳中脂肪酸組成を用いたホルスタイン種泌乳牛の乾物摂取量推定

*生田 健太郎¹、寺田 文典²、大谷 喜永³、榎本 全能⁴、石川 翔¹、小原 嘉昭³ (1. 兵庫淡路農技セ、2. 東北大院農、3. 明治飼糧、4. 近畿生乳販連)

【目的】乾物摂取量(DMI)は乳牛の飼養管理上重要な指標であるが，現場では把握が困難である．最近，乳成分分析装置による乳中脂肪酸組成(MFA)の測定が可能となったことから，MFAを説明変数に加えたDMI推定式の精度を検討した．【方法】TMR個別給与の泌乳牛58頭を供試した．分娩後8週までの延べ271例の実測DMIを目的変数とし，産次，分娩後週次，体重，乳量(MY)，乳成分(Fat,SNF,Pro,Lac)に加え，ガスクロマトグラフィーで測定したMFAを説明変数としてステップワイズ法により推定式を求めた．9週以降については同一牛群39頭から得られた287例の給与量（仮定DMI）を目的変数とし，MFAは乳成分分析装置による測定値を用いた．【結果】分娩後8週までの推定式では，週次，MY，SNFとMFAにDe novo脂肪酸群を用いた場合の寄与率は86.0%，個別脂肪酸(C4:0,C14:0,C18:0)を用いた場合の寄与率は86.6%，C14:0のみでも86.3%であった．9週以降の推定式では，産次，週次，MYとMFAにPreformed脂肪酸群を用いた場合の寄与率は67.6%，週次，MYとMFAに個別脂肪酸(C4:0,C16:0,C18:1) を用いた場合の寄与率は68.9%であった．以上より，MFAを用いて全泌乳期間を通じて高い精度でDMI推定が可能であることが示唆された．