日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養

2019年9月18日(水) 13:30 〜 17:20 第I会場 (ぽらんホール(8番講義室))

座長:松井 徹(京大院)、松崎 正敏(弘前大農生)、寺田 文典(東北大院農)、小櫃 剛人(広島大院生物圏)、樋口 幹人(農研機構中央農研)、杉野 利久(広島大院生物圏)

16:40 〜 16:50

[I-18-18] ウシSmad1/4を介したヘプシジン転写

*定兼 熙幸1、村上 賢2、舟場 正幸1、松井 徹1 (1. 京大院農、2. 麻布大獣)

【目的】ヘプシジンは血中鉄濃度の増加を負に制御する肝臓由来ホルモンである.肝臓鉄増加に伴い分泌促進されるBMP6を感受した肝細胞は,Smad1,Smad4を介してヘプシジン転写を高めることが,ヒトやマウスで知られている.我々の先行研究において,ウシでは肝臓の鉄蓄積増加に応じたヘプシジンの転写調節が機能していない可能性が示唆された.そこで,Smad1/4を介したヘプシジンの転写促進がウシでも起こるか調べることにした.【方法】ヒト肝臓由来HepG2,Smad4欠失ヒト結腸由来SW480.7細胞においてヘプシジンプロモーターレポーターアッセイを実地した.【結果および考察】HepG2でウシ(b)またはマウス(m)のSmad1を過剰発現させると,いずれの場合もヘプシジン転写が促進された.SW480.7ではbSmad1やmSmad1を単独で過剰発現させてもヘプシジン転写は促進されなかったが,mSmad4と共発現させるとヘプシジン転写は亢進した.この結果より,ヘプシジン転写にSmad1/Smad4複合体形成の必要性を確認できた.しかし,bSmad1やmSmad1をbSmad4と共発現させてもヘプシジン転写は促進されなかった.これは,マウスまたはウシのいずれのヘプシジンプロモーターを用いたレポーターでも再現された.本研究結果は,bSmad4は転写因子として機能してない可能性を示唆している.