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[I-18-19] 成長段階の異なるヒツジにおける第一胃発酵性状および血漿グルコース・アミノ酸代謝に及ぼすグリセロール添加の影響
【目的】グリセロールは反芻家畜のエネルギー源になりうるが,第一胃の発達と関連する第一胃発酵性状,血漿グルコース・アミノ酸代謝動態に及ぼす影響についてはこれまで明らかにされていない.そこで,本実験ではこれらを検討することを目的とした.【方法】成ヒツジ4頭(7才)と子ヒツジ4頭(3ヶ月)を用い,給与飼料重量の5%のグリセロール添加の有無で2飼料区を設定し(粗濃比=2:1),1期2週間のクロスオーバー法で実験を行った.2週目に第一胃発酵性状(揮発性脂肪酸,アンモニア濃度など)および同位元素希釈法により血漿グルコース,フェニルアラニン,チロシンの代謝回転速度を測定した.【結果】成ヒツジでは第一胃内プロピオン酸,酪酸濃度は採食後に上昇し(P<0.05),A/P比はグリセロール添加区で低かった(P<0.05).子ヒツジでは酢酸,プロピオン酸,酪酸濃度は採食後に上昇した(P <0.05).血漿グルコース,フェニルアラニン,チロシン代謝回転速度およびタンパク質合成速度は飼料間に差は認められなかった.成ヒツジの第一胃内プロピオン酸濃度はグリセロール添加区が高く,子ヒツジの血漿グルコース代謝回転速度は成ヒツジよりも高かった.以上の結果より,グリセロールが血漿グルコース・アミノ酸代謝に及ぼす影響は認められないものの,成長段階によって利用性が異なることが推察された.