栄養・飼養

[I-18-20] 脂肪酸モル比を高く調製したアマニ油脂肪酸カルシウムのin vitro第一胃発酵に及ぼす賦形剤の効果

*青木 泰達¹、勝俣 沙智¹、山内 望萌¹、山中 清華¹、村山 誠之²、大石 風人¹、広岡 博之¹、熊谷 元¹ (1. 京大院農、2. 太陽油脂)

【目的】演者らは日畜第124回大会で脂肪酸モル比を高く調製したアマニ油脂肪酸Caがin vitro 条件でCH₄産生量を低減することを示した．本試験では異なる賦形剤を混合した脂肪酸Caの添加がin vitro第一胃発酵に及ぼす影響を評価した．【方法】濃厚飼料とライグラスストローを6:4で給与した緬羊の第一胃液に人工唾液を1:4で混合した培養液40mLを調製し,0．5gDMの圧ペン大麦を基質として脂肪酸Caを添加後39℃で48時間培養した．アマニ油脂肪酸とCaのモル比が2:1と3:1のものを用意し,3:1のものに賦形剤としてケイソウ土,バーミキュライト,シリカゲル,ベントナイト,ゼオライトを混合した．同脂肪添加量となるように2添加レベル(10mg,20mg)を設定した．【結果】培養12時間のガス産生量はシリカゲル区で高かった(P<0．05)．培養48時間のCH₄産生量はシリカゲルの10mg,20mg添加区でそれぞれ無添加区と比べ著しく低減した(P<0．01)．DM消化率に差は見られなかったが,CP消化率はシリカゲル区で低かった(P<0．01)．培養液上清中のNH₃-N濃度は,ベントナイト区で最も高く,ゼオライト区で最も低かった．シリカゲルを賦形剤として脂肪酸モル比の高い脂肪酸Caを添加すると,CP消化率は低下する一方,DM消化率を低下させることなくCH₄産生量を低減することが示された．