日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養

2019年9月18日(水) 13:30 〜 17:20 第I会場 (ぽらんホール(8番講義室))

座長:松井 徹(京大院)、松崎 正敏(弘前大農生)、寺田 文典(東北大院農)、小櫃 剛人(広島大院生物圏)、樋口 幹人(農研機構中央農研)、杉野 利久(広島大院生物圏)

17:10 〜 17:20

[I-18-21] 各種清酒粕の給与が濃厚飼料基質条件下のin vitro第一胃発酵に及ぼす影響

*山中 清華1、勝俣 沙智1、山内 望萌1、青木 泰達1、堤 浩子2、大石 風人1、広岡 博之1、熊谷 元1 (1. 京大院農、2. 月桂冠総研)

【背景】醸造副産物である清酒粕は,酵母や発酵代謝産物に富み,飼料利用が検討されているが,醸造方法は様々であり清酒粕も多様である.本研究では各種清酒粕がin vitro第一胃発酵および微生物増殖に及ぼす効果を評価した.【方法】液化仕込み普通清酒粕(L1),液化仕込み糖質ゼロ清酒粕(L2),蒸米仕込み普通清酒粕(S1),蒸米仕込み大吟醸清酒粕(S2),大豆粕(SBM)を代替物として用いた.濃厚飼料と粗飼料を6:4で給餌した緬羊3頭から第一胃液を採取し,人工唾液と1:4の割合で混合した.圧ペン大麦0.5gDMを基質とし,一部をDM中CP含量が同等となるように(L:13.5%,M:16.7%,H:20.0%),大豆粕および各種清酒粕で3段階に代替し,38℃で48時間嫌気培養した.【結果】DM消化率はSBM=S2>L2=S1>L1の順に高く,CP消化率はL2>SBM=S2>L1=S1の順に高かった(P<0.01).DMとCPの消化率に代替物と代替レベルの交互作用が見られ(P<0.01),SBMとS2は代替レベルに応じて大きく上昇した.培養液上清中のNH3-N濃度はSBM>L2>L1=S1=S2の順に高く,バクテリア分画重量はS1=S2>L2>L1>SBMの順に高かった(P<0.01).以上から,清酒粕はNH3-N濃度を減少させ微生物増殖を促進するが,醸造方法により異なる可能性が示唆された.