日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用

2019年9月18日(水) 13:30 〜 16:20 第II会場 (7番講義室)

座長:佐々木 啓介(農研機構畜産部門)、舩津 保浩(酪農大食と健康)、川井 泰(日大生資科)、重盛 駿(信州大農)

13:30 〜 13:40

[II-18-01] ブタ腎臓麹を用いて調製した肉醤の品質特性

*舩津 保浩1、時任 詩織1、前田 尚之1、野村 透美2、小林 一人2 (1. 酪農大食と健康、2. 日本ピュアフード)

【目的】本研究ではと畜時に排出されるブタ腎臓の有効活用を目的として食塩とクエン酸によりアンモニア臭除去処理を行った腎臓を主原料と麹の基質に活用した新たな発酵法により肉醤を調製し, その品質を調査した. 【方法】ブタ腎臓を挽き肉にし, これに1%NaCl溶液と0.5% NaCl-0.5%クエン酸溶液をそれぞれ加え約80℃で30分間加熱後にざるで水をきり, 同様の操作を再度実施後, 風乾した (腎臓AとB). 次に105℃で10分間加熱した腎臓AとBを基質として種麹 (AOK139菌) を接種し, 26℃で42時間培養後出麹した (麹AとB). 本研究では8試験区 (①腎臓A, 麹A及び酵母添加, ②腎臓Aと麹A添加, ③腎臓Aと酵母添加, ④腎臓B, 麹B及び酵母添加, ⑤腎臓Bと麹B添加, ⑥腎臓Bと酵母添加, ⑦腎臓Aのみ添加, ⑧腎臓Bのみ添加) で実施した. 32℃で2ヶ月間発酵後のもろみを火入れ・ろ過し, 最終製品とした. 最終製品につき化学成分及び味覚分析等を行った.【結果】アンモニア臭の除去方法によりpHやタンパク質分解率が異なるが, 麹添加区 (①,②,④,⑤) では無塩可溶性固形分, 全窒素分及びアンモニアレベルが高かった. 味覚分析データの主成分分析から1%NaCl処理区の麹添加区 (①と②) はうま味 (先味) が, 0.5% NaCl-0.5%クエン酸処理区の麹添加区 (③と④) は平均的なバランスで酸味 (先味) がやや強いことが分かった.