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[II-18-05] 一般消費者の豚肉に対する特性認知に年齢層と性別が及ぼす影響
【緒言】官能評価では,客観的な記述的評価と主観的な嗜好性評価は厳格に区別され,訓練されていないパネルによる嗜好型評価では,客観的特性は通常評価させない.しかし,訓練を受けていない一般消費者であっても食品を喫食するときは当然味や匂い,食感を認知し,これが嗜好に影響を及ぼしている.今回は一般消費者が認知する豚肉の主観的な特性の個人差を検討するため,豚肉の特性認知に年齢層や性別が及ぼす影響を検証した.【方法】117名の一般消費者パネルに9種類の豚肉を喫食させ,19語の官能特性評価用語リストによるCheck-All-That-Apply法により評価させた.回答データは各用語が選択される確率を従属変数とし,サンプル,被験者の年齢層,性別,およびサンプル×年齢層,サンプル×性別の相互作用を説明変数とし,ロジットをリンク関数とした一般化線型混合モデル分析に供した.【結果】被験者の性別は「甘味」「やわらかい」の選択に,年齢層は「バター臭」「豚肉らしい香り」「ジューシー」「ざらつく」の選択に有意に(P<0.05)影響を及ぼした.「かたい」の選択確率にはサンプルと性別の有意な(P<0.05)交互作用がみとめられ,「どのような豚肉を『かたい』と感じるか」は性による違いがあることが示唆された.【謝辞】本研究は革新的技術開発・緊急展開事業(うち先導プロジェクト)(農研機構・生研センタ-)により行われた.