日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用

2019年9月18日(水) 13:30 〜 16:20 第II会場 (7番講義室)

座長:佐々木 啓介(農研機構畜産部門)、舩津 保浩(酪農大食と健康)、川井 泰(日大生資科)、重盛 駿(信州大農)

14:30 〜 14:40

[II-18-07] カタラーゼ試験による肉製品の加熱履歴の確認

*藤澤 希1、原 勇一2、藤田 颯人2、遠藤 明仁1、大友 浩幸1、川井 泰2、増田 哲也2 (1. 農林水産省動物検疫所、2. 日大生資科)

【目的】悪性の家畜伝染病の発生地域から肉製品を輸入する場合は,輸出国で70℃1分以上の加熱処理等が求められる.輸入検査では必要に応じてSDS-PAGEを用いてタンパク質の熱変性の有無を確認しているが,手順が煩雑で判定までに約半日を要する.そこで,手順が簡便かつ約10分で判定可能なカタラーゼ試験を検討した.【方法】(1)失活温度:生肉と同量のDWを加えホモジナイズし,濾過した検体を60~90℃で1分間加熱後,その遠心上清と3%H2O2を等量混合し,1分後の気泡の有無で失活状況を判定した.(2)低温長時間加熱による失活: (1)の失活温度より5〜10℃低い温度で1分以上加熱した際の失活状況を調べた.(3)簡便化のため,①肉片を検体とする方法,②市販のオキシドールを用いる方法を検討した.(4)①輸入禁止携帯品の肉及び②輸入加熱処理肉を用いて判定可能か検証した.【結果】(1)牛肉64~71℃,豚肉66~74℃,鶏肉69~72℃1分の加熱で,カタラーゼは失活した.部位,産地での差はほぼ無かった.(2) (1)の失活温度より5℃低い温度で7~9分加熱した場合,カタラーゼ陰性となった. (3)①肉片の方が気泡の発生が多く,検査可能であった.②3% H2O2と市販のオキシドールの結果は一致した.(4)①目視で「生」と分かる検体は全てカタラーゼ陽性となった.②99%がカタラーゼ陰性となった.