The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用

Wed. Sep 18, 2019 1:30 PM - 4:20 PM 第II会場 (7番講義室)

座長:佐々木 啓介(農研機構畜産部門)、舩津 保浩(酪農大食と健康)、川井 泰(日大生資科)、重盛 駿(信州大農)

3:10 PM - 3:20 PM

[II-18-10] 発酵乳ホエーの血圧上昇抑制メカニズムの探索

*黒川 展頌1、長澤 麻央1,2、高木 康太1、丸井 萌子1、足立 華織1、藤島 遼太朗2、松下 裕香2、林 利哉1,2 (1. 名城大院農、2. 名城大農)

【目的】発酵乳ホエーは,発酵により産生されたペプチドを豊富に含むが,産業的に必ずしも有効利用されているとは言えない.このことから,未利用資源の有効利用を目指し,本研究では発酵乳ホエーの機能性評価の一つとして,血圧上昇抑制効果をin vivo試験で確認すること,さらに,そのメカニズムを明らかにすることを目的とした.【方法】Lactobacillus helveticusあるいはStreptococcus salivarius subsp. thermophilusをそれぞれ使用し発酵乳ホエーを作製した.血圧測定の1時間前に蒸留水あるいは発酵乳ホエー(HLあるいはTH)を経口投与し,5分前にアンジオテンシンⅡを腹腔内投与することで高血圧状態を誘導した.また,本モデル動物で観察された血圧上昇抑制効果の作用メカニズムを推定するため,降圧薬であるカプトプリル,血圧上昇抑制に有効なGABAを経口投与する実験も同様に行なった.【結果】HLを使用し調製した発酵乳ホエーの摂取により,本モデル動物の高血圧症状が緩和された.また,本モデル動物の血圧上昇はカプトプリルやGABAによって抑制されなかった.以上より,本研究で使用した発酵乳ホエーの血圧上昇抑制効果は,アンジオテンシン変換酵素の活性阻害やGABAによる神経調節を介さないメカニズムである可能性が示された.