日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用

2019年9月18日(水) 13:30 〜 16:20 第II会場 (7番講義室)

座長:佐々木 啓介(農研機構畜産部門)、舩津 保浩(酪農大食と健康)、川井 泰(日大生資科)、重盛 駿(信州大農)

16:10 〜 16:20

[II-18-16] Lactococcus lactis subsp. cremorisの共培養によるLactobacillus gasseriの 乳中における生育改善

*小村 恭子1、増田 哲也1、川井 泰1 (1. 日大院生資科)

【目的】現代の日本人は7〜8人に1人が便秘に悩まされており,その対策として近年プロバイオティック乳酸菌が注目されている.当研究室ではLactobacillus gasseri JCM 1025(以下JCM 1025)が便通改善効果を有することを見出したが,一般的にLb. gasseriはペプチドに乏しい乳中では生育が緩慢である.本研究では,タンパク質分解能が高いとされているLactococcus lactis subsp. cremorisとの共培養により,乳中におけるJCM 1025の生育改善を試みた.【方法】 JCM 1025をLc. cremoris 5菌株とともに33℃/1~2日間培養し,グルコースをマルトースに置換したMRS寒天培地(pH 5.2)を用いて選択的にJCM 1025の生菌数を測定した.また,Lc. cremoris単菌培養時の培養上清から作製した75%エタノール画分をHPLC分析した.【結果】Lc. cremoris HP,H41-7,H61との共培養時には,JCM 1025の単菌培養時よりも生育の改善が認められた.またHPLC分析では,JCM 1025の生育を改善したLc. cremorisの上清成分は効果のなかった株よりも分解産物が顕著に増加していた.以上のことから,Lc. cremorisが産生する分解産物がJCM 1025の乳中における生育を改善している可能性が示唆された.