17:10 〜 17:20
[II-18-20] 酵母細胞壁が暑熱ストレスヒナの腸内細菌叢に及ぼす給与の影響
【目的】夏季暑熱は,家禽の消化管における生理機能だけでなく,腸内細菌叢にも悪影響を及ぼす.その対策として,整腸作用を有する酵母細胞壁(YF)が利用されている.先行研究において,0日齢からYFを給与したヒナは暑熱ストレスを受けても腸内有用細菌群が増加することが明らかとなった.そこで,本試験では,暑熱暴露と同時にYF給与を開始しても,ブロイラーヒナの細菌叢を改善できるかに着目し,調査を行った.【方法】ブロイラー(チャンキー)雄ヒナを用い,実験区はYFの有無で2区とした.2-3週齢にかけて暑熱暴露(34℃,4時間/日)およびYFの給与を行い,体重を測定した.暑熱暴露終了後,翌日に空腸および盲腸内容物を採材した.採取した試料からDNAを抽出し,E.coli, Clostridiumの遺伝子発現量を測定した.【結果】両区間で増体に差は見られなかった.空腸E.coli, ClostridiumについてはYF給与の効果は認められなかった.盲腸Clostridiumについては差は見られなかったが,一方でE.coliはYF区で減少することが明らかとなった.以上の結果から,暑熱暴露開始後にYFを給与してもニワトリヒナの細菌叢を一部改善するものと考えられた.