日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用

2019年9月19日(木) 09:30 〜 10:50 第II会場 (7番講義室)

座長:水野谷 航(麻布大獣)、北澤 春樹(東北大院農)

09:30 〜 09:40

[II-19-01] 接触型電極を用いたインピーダンス測定による黒毛和種8筋肉の脂肪酸組成の推定

*渡辺 亮平1、米内 美晴3、鎌田 丈弘4、横田 朋佳2、石松 朝輝2、村元 隆行2 (1. 岩手大院総合科学 、2. 岩手大農、3. 農研機構東北農研、4. 青森畜研)

【目的】わが国における牛肉品質評価は,胸最長筋の脂肪交雑の程度が最も重視されている.また,脂肪の融点や硬さなどの特性には,脂肪を構成している脂肪酸の組成が大きな影響を及ぼしている.オレイン酸に代表される一価不飽和脂肪酸の割合が高い牛肉は,程よい口当たりであり,またフレーバーが良いことが報告されている. そこで本研究では,黒毛和種の8筋肉および皮下脂肪について,接触型電極を用いて測定したインピーダンスと脂肪酸組成との関係について検討を行った.【方法】黒毛和種去勢牛の8筋肉および皮下脂肪からステーキサンプルを調製し,1Hz,120Hz,および100kHzの周波数で接触型電極を用いてインピーダンスを測定した.また各筋肉の脂肪酸組成の分析をガスクロマトグラフィー法により行った.【結果】胸最長筋のインピーダンスとオレイン酸割合との間にはすべての周波数において有意な正の相関がみられた.したがって,胸最長筋のすべての周波数におけるインピーダンスを測定することにより,オレイン酸割合を推定できる可能性が示された.また,皮下脂肪のインピーダンスとオレイン酸割合との間には1Hzで有意な負の相関がみられ,皮下脂肪のオレイン酸割合と胸最長筋のオレイン酸割合との間に有意な正の相関がみられた.これらのことから,皮下脂肪の1Hzにおけるインピーダンスから胸最長筋のオレイン酸割合を間接的に推定できる可能性が示された.