10:20 〜 10:30
[II-19-06] 乳酸菌オリゴDNAを有効成分とする経口用微粒子がもたらす急性大腸炎の予防効果
【背景と目的】特定の配列を有するオリゴDNA(ODN)は,動物において優れた免疫修飾機能を発揮する.演者らはこれまでに,ODNを腸管で作用させるための経口用微粒子としてODNcapを開発した[1].本研究では,Lactobacillus rhamnosus GGより同定されたODN(ID35[2])を用いてODNcap(ID35cap)を作成し,同微粒子の予防的経口投与がマウス大腸炎の症状に及ぼす影響を検討することを目的とした.【方法】Wangらの方法[1]によりID35capを作成した.マウスに3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を含む飲料水を5日間摂取させることで急性大腸炎を誘導した(Day0-5).Day-2および-1に,微粒子成分(cap),ID35もしくはID35capを経口投与した.大腸炎の重篤度は,毎日の症状観察(DAIスコアとして定量化)ならびにDay10における大腸の短縮度合いに基づき評価した.【結果】ID35capを投与した試験群では,DSS,capおよびID35の各群と比較して,Day5-10のDAIスコアが有意に低下し,大腸短縮が顕著に減弱した.すなわち,ID35capの予防的経口投与はDSS誘導急性大腸炎を軽減することが示唆された.
[1] Mol Ther., 23:297-309, 2015
[2] Cell Microbiol., 7:403–414, 2005
[1] Mol Ther., 23:297-309, 2015
[2] Cell Microbiol., 7:403–414, 2005