日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

2. 遺伝・育種

遺伝・育種

2019年9月19日(木) 09:30 〜 10:50 第III会場 (2番講義室)

座長:佐々木 修(農研機構畜産部門)、美川 智(農研機構畜産部門)

09:30 〜 09:40

[III-19-01] 豚の生存産子数改良のための産肉形質および体型形質の利用可能性

*小川 伸一郎1、大西 知佳2、石井 和雄3、上本 吉伸1、佐藤 正寛1 (1. 東北大院農、2. 家畜改良セ宮崎、3. 農研機構畜産部門)

【目的】豚における生存産子数の効率的な改良のための選抜指標を探索するため,産肉形質および体型形質の利用可能性について検討した.【方法】家畜改良センター宮崎牧場のデュロック種(ユメサクラエース)2,835頭の能力検定記録を用いた.また,437頭(うち324頭が能力検定記録をもつ)の雌豚に関する1,168件の生存産子数の記録および11,631頭分の血統情報を用いた.産肉形質として検定開始時および終了時(それぞれ30 kgおよび105 kg相当)の日齢,一日平均増体重,背脂肪厚,ロース芯面積および筋肉内脂肪含量,体型形質として体高,体長,前幅,胸幅,後幅,胸深,胸囲,前肢管囲および後肢管囲を分析に用いた.遺伝的パラメーター推定にはアニマルモデルREML法をそれぞれ用い,産肉形質および体型形質のモデルは,一腹共通環境効果を含む場合と含まない場合の2通りとした.【結果】産肉形質および体型形質の推定遺伝率は,一腹共通環境効果をモデルに含まないとき,後幅での0.24からロース芯面積および筋肉内脂肪含量での0.64までと,いずれも生存産子数の推定遺伝率0.16を上回った.また,生存産子数と検定開始時日齢,前幅および胸幅との推定遺伝相関は0.5程度と高く,生存産子数のための選抜指標としての有用性が示唆された.一方,一腹共通環境効果を含むとき,推定遺伝相関は大きく変動せず,推定遺伝率が低下した.