日本畜産学会第126回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

2019年9月18日(水) 09:30 〜 11:00 第III会場 (2番講義室)

座長:井上 慶一(家畜改良セ)、澤井 健(岩手大)、有原 圭三(北里大獣)、一條 俊浩(岩手大)

10:45 〜 11:00

[III-YS-06] IL-1RA分泌乳酸菌組換え体の大腸炎における炎症改善効果と盲腸内細菌叢への影響

*生井 楓1,2、重盛 駿3、荻田 佑3、下里 剛士3 (1. 信州大院総合医理工、2. 学振特別研究員DC、3. 信州大バイオメディカル研)

【目的】乳酸菌組換え体(gmLAB)は,有益タンパク質の粘膜局所への送達を目的とし,遺伝子組換えした乳酸菌である.我々はこれまでに腸管での炎症抑制を目指し,IL-1と競合し抗炎症効果を示すIL-1受容体アンタゴニスト(IL-1RA)を産生するgmLAB(NZ-IL1RA)の構築に成功した.そこで本研究では,NZ-IL1RAの経口投与による大腸炎における炎症抑制効果と盲腸内細菌叢への影響について調査した.【方法】C57BL/6マウスに,3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を飲水させることで大腸炎モデルを作出した.Day 0からDay 11まで,NZ-IL1RAもしくはベクターコントロール株(NZ-VC)を経口投与した.Day11にマウスを解剖し,腸間膜リンパ節,大腸における炎症マーカーの発現量に加えて,盲腸内細菌叢解析を行った.【結果】大腸炎モデルマウスにおいて,NZ-IL1RA投与群では,回復期における体重が有意に増加し,TNF-αやIFN-γの発現が抑制された.また,CD4+IL-17A+の細胞数を解析したところ,腸間膜リンパ節において,有意な減少がみられた.とくに,NZ-IL1RA投与群で盲腸内における Pseudoflavonifractorの増加が見られたことから,大腸炎の制御と盲腸内細菌叢の関連性が示唆された.