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[IV-18-01] ニワトリ始原生殖細胞の緩慢凍結に用いる凍結保護剤の比較選定
【目的】ニワトリでは,胚発生の初期に出現する始原生殖細胞(PGC)を移植することにより,機能的な配偶子へ分化させることができる.また,PGCは凍結保存が可能であるため,胚の凍結保存ができないニワトリでは遺伝資源保存の素材として注目されている.しかし,これまでにニワトリPGCの凍結保存法は十分に検討されておらず,改善の余地が残されている.そこで本研究では,ニワトリPGCの緩慢凍結に用いる凍結保護剤を比較選定し,さらにその最適濃度について検討することを目的とした.【方法】白色レグホーン由来の培養PGCを緩慢凍結法により凍結保存した.凍結溶液の基礎培地としてDMEMを用い,これに凍結保護剤(グリセロール,エチレングリコール,ジメチルスルホキシド,プロピレングリコール)のいずれかを添加した.融解後,トリパンブルー染色により生死判定を行い,生存率を測定した.【結果】凍結融解後の生存率を比較した結果,凍結保護剤を含まない溶液(DMEM)では約10%であったのに対し,ジメチルスルホキシドとプロピレングリコールを含む溶液ではいずれも約55%と有意に高く,高い凍結保護効果が認められた.そこで,ジメチルスルホキシドとプロピレングリコールの最適濃度を検討した結果,それぞれ7.5%と10%において最も生存率が高かった.現在,これらの結果に基づいてニワトリPGCの凍結保存法の改善に取り組んでいる.