日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

2019年9月19日(木) 09:30 〜 11:30 第IV会場 (4番講義室)

座長:竹田 謙一(信州大)、長谷川 輝明(千葉県畜産総合研究セ)、青山 真人 (宇大農)

09:30 〜 09:40

[IV-19-01] 大群飼育豚舎におけるオートソーティングシステムへの肥育豚導入柵の形状の比較

*家入 誠二1、馬場 奏志1、坂本 信介1、川島 知之1 (1. 宮崎大農)

【目的】近年,オートソーティングシステム(ASS)を装備した大群飼育豚舎が普及し始めている.ASSは出荷時に自動的に体重を測り,適正出荷体重になったものを分別し,出荷エリアに導く装置である.しかし,ASSにおいては,ソーター入り口でのブタの停滞などの課題が生じている.本研究では,ASSにおける課題を明らかにするとともに,効率的なソーターへのブタの導入方法を検討した.【方法】試験は熊本県の大型養豚場で実施した.ASSへのブタの導入部分において,既存の扇型導入柵を用いた場合と平行型導入柵を用いた場合でブタの行動を監視カメラと携帯型カメラにより撮影し,解析した.【結果】平行型では稼働から実験終了までの通過頭数に偏りが少なかった.また,単位頭数当たりのソーター通過に要した時間は平行型の方が短く,ソーター入り口から引き返した頭数は減少し,160分当たりで153頭の差が生じた.さらに,扇型導入柵で特に問題となった「通路を塞ぐ」行動は,頻度,延べ時間とも減少した.一方,ソーターへの同時侵入,前を行く他のブタへ乗るなどの問題行動は平行型で増加した.これらの結果は,ASSにおいては,扇型の導入柵を用いるより平行型の導入柵を用いる方がソーターの稼働時間において効率的である可能性を示している.