日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

2019年9月19日(木) 09:30 〜 11:30 第IV会場 (4番講義室)

座長:竹田 謙一(信州大)、長谷川 輝明(千葉県畜産総合研究セ)、青山 真人 (宇大農)

11:10 〜 11:20

[IV-19-11] 肥育豚に対する投薬治療を伴う異常事態を早期に予測するための指標の探査

*佐々木 羊介1、松尾 崚平1、末吉 益雄1 (1. 宮崎大農)

【目的】養豚生産農場における生産性向上のためには,高い衛生状態を保ち,疾病の発生を防除すること,そして,疾病が発生した際にはその発生を早期に検出し,対策することが必須である.肥育豚は多頭数の群で飼育されているため,疾病発生などの異常があった場合には,群全体への投薬治療が行われる.そこで,本研究では,養豚肥育農場において得られる様々な生産データを用いて,肥育豚に対する投薬治療を伴う異常事態を早期に予測するための指標を探査することを目的とした.【方法】本調査は南九州に所在するバークシャー種飼養の大規模肥育農場1農場を対象とした.2017-2018年に肥育舎に導入された肥育豚の群情報88群の群成績を分析に用いた.各群は100日齢前後で導入され,飼養頭数は500-600頭であった.【結果】調査期間において,投薬治療の実施日における死亡頭数は,それ以外の日よりも0.11頭多かった(P<0.05).しかし,死亡頭数は投薬治療の実施の3日前より多くなっており,実際の投薬治療は死亡頭数の増加後に行われていた.また,豚舎内における最高・最低気温および日内気温差は死亡頭数と関連がみられなかった.一方,各群における日々の飼料摂取量と死亡頭数の関連性の分析より,肥育豚の死亡が発生した日は飼料摂取量の前日比が約2%低下しており,日々の飼料摂取量を投薬治療の基準として使用できる可能性が示唆された.