日本畜産学会第126回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

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2019年9月18日(水) 09:30 〜 10:45 第IV会場 (4番講義室)

座長:塚原 隆充(栄養・病理研)、三森 眞琴(農研機構畜産部門)、青山 真人 (宇大農)、豊後 貴嗣(広島大院生物圏)

09:45 〜 10:00

[IV-YS-02] 母豚への5-アミノレブリン酸(5-ALA)給与が仔豚の腸管粘膜の遺伝子発現に及ぼす影響

*神保 いつき1、前田 真知1、川﨑 浄教2、堀 晃宏2、谷口 慎3、井上 亮1 (1. 京府大院生環、2. 香川大農、3. ネオファーマJ)

5-ALAは天然アミノ酸で,シトクロムを増加させ,エネルギー生産を促進するなど代謝調節作用を持つ.我々は母豚へ5-ALAを給与した仔豚の離乳1週間時点の絨毛高が小腸全域で対照群よりも有意に長いこと(p<0.05)を第124回大会にて報告した.本試験では,5-ALAの母豚給与により絨毛高に影響が認められた仔豚の回腸粘膜の遺伝子発現解析を行うことで,母豚への5-ALA給与が離乳仔豚の腸管粘膜の遺伝子発現に及ぼす影響を検討することを目的とした.
先行研究では,妊娠豚4頭(LW)を2頭ずつALA群と対照群に分け,ALA群の飼料には分娩2週間前から仔豚の離乳日(分娩後21日)まで5-ALA濃度が20ppmとなるように添加し,各腹3頭(6頭/群)の産仔を28日齢で解剖した.本試験では,各群3頭を選抜し,回腸粘膜から,全RNAを抽出し,cRNA合成及びラベル化を行い,DNAマイクロアレイ解析を行った.得られた解析データをもとにGO解析を行った.
対照群に比べてALA群で発現量が統計的有意に高値(p<0.05)を示した1,049の遺伝子のGO解析の結果,統計的有意にエンリッチされたGO termは90あり,ミトコンドリアに関するものが多くみられた.よって,母豚への5-ALA給与が仔豚の代謝・エネルギー生産を促進し,離乳後の絨毛萎縮を軽減させた,または萎縮からの回復を促進させた可能性が示唆された.