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[IV-YS-03] 生後24時間の初乳摂取が仔豚の空腸粘膜の遺伝子発現に及ぼす影響
【目的】ブタの初乳は栄養及び免疫成分に富み,初乳摂取は仔豚の健全な生育に不可欠である.我々は,生後24時間の初乳摂取が仔豚の小腸の組織形態を大きく変化させることを明らかにした (125回大会).本研究では,この事象をより深く解明するため,生後24時間の初乳摂取の有無が仔豚の空腸粘膜の遺伝子発現に及ぼす影響を検討した.【方法】先行研究では4腹の新生仔豚 (LWD)24頭を初乳摂取群と非摂取群 (各12頭) に分け,非摂取群には生後24時間代用乳のみを摂取させ,生後24時間に全頭を解剖した.本研究では各群から4頭ずつ選抜し,空腸粘膜のマイクロアレイ解析を行い,得られたデータを元にパスウェイ解析 (KEGG pathway) を行った.【結果】発現量が摂取群で非摂取群より有意に高値を示した遺伝子は1516,低値を示した遺伝子は1104だった.パスウェイ解析の結果,EndocytosisやCell Cycleに加えCarbon metabolism,Pyruvate metabolism,Citrate cycle (TCA cycle) などの様々な代謝に関与するパスウェイが摂取群で亢進していることが示唆された.摂取群では初乳成分の取り込みやエネルギー産生が促進されていると考えられ,これは先行研究の摂取群で,絨毛高の伸長や腸管上皮細胞に初乳由来成分を含む多くの空胞が見られたことと合致する.