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[V-18-06] 家禽の骨格における含気化に関するマイクロCTによる観察
【目的】現生鳥類は,含気骨と呼ばれる内部が空洞になっている骨を特徴的に有している.恐竜でも同様な含気骨が観察され,現生鳥類が恐竜から進化したことを示す一つの証拠となっている.産卵鶏においては含気化が28日齢で観察されるとされているが,卵肉兼用種鶏(横斑プリマスロック)における骨格の含気化に関する報告はない.本研究では,家禽の骨格における含気化過程について組織学的に観察するとともに,新たにX線マイクロコンピュータ断層撮影装置(マイクロCT)を用いて内部構造を解析した.【材料および方法】卵肉兼用種鶏(横斑プリマスロック)の40日齢,300日齢,400日齢の上腕骨を採取した.採取した上腕骨は常法に従いパラフィン包埋した後,横断切片を作製し,HE染色を施し光学顕微鏡で観察した.また一部の上腕骨は,マイクロCTにより骨格内部構造を三次元的に解析した.【結果】40日齢の横斑プリマスロックのマイクロCTによる観察では,含気孔,含気管,含気腔ともに観察されたが,完全に含気化しておらず,骨髄も観察された.300日齢,400日齢では完全に含気化しており,骨髄は観察されなかった.400日齢では他の日齢と比較し梁状構造が減少していた.以上の結果から,骨格の含気化を明らかにする上で,組織学的観察に加えマイクロCTで観察することは有効であると考えられた.