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[V-18-08] 卵黄抗体の輸送機構の解明:FcRY受容体の発現局在と結合特性
【目的】母ドリの血中IgY抗体は選択的に卵黄へ輸送されるが,その仕組みは不明である.FcRYは胚発生期の卵黄嚢膜でIgYを胚の循環血に輸送する受容体である.FcRYが母ドリ体内におけるIgYの卵黄への輸送に関与するかを明らかにするため,母ドリ卵胞でのFcRYの発現局在ならびに卵黄輸送能が異なるIgY-Fc変異体との結合活性を調査した.【方法】細胞外領域のほぼ全長をコードし,膜貫通領域を欠損させた分泌型FcRYを作出した.このFcRYに対する特異抗体を用いた免疫組織染色法により,雌ニワトリ卵胞でのFcRYの発現局在を解析した.さらに,ビオチン転移性クロスリンカーを用いて,分泌型FcRYとIgY-Fcとの結合活性を調査した.野生型のIgY-Fc(高卵黄輸送能)と変異型IgY-Fc(低卵黄輸送能)の結合活性を比較した.【結果】光学顕微鏡による卵胞組織切片の観察で,FcRYに対する免疫反応が卵胞膜細胞(Theca)層の最内層で検出された.結合活性の解析により,野生型IgY-Fcと変異型IgY-FcはともにpH6.0でFcRYと結合するものの,野生型IgY-Fcがより強くFcRYと結合することが判明した.【結論】FcRYは雌ニワトリの卵胞で局所的に発現し,卵黄輸送能の高い野生型IgY-Fcと強く結合した.よって,FcRY受容体は卵黄へのIgY輸送を直接的あるいは間接的に制御すると考えられた.