The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

Wed. Sep 18, 2019 3:35 PM - 4:45 PM 第V会場 (6番講義室)

座長:矢用 健一(農研機構畜産部門)、平田 統一(岩手大農)

4:25 PM - 4:35 PM

[V-18-17] 炭酸マグネシウム配合粉末硫黄資材と上向流型リアクターによる養豚排水の硫黄脱窒試験

*長谷川 輝明1、田中 康男2、笠原 和久3、長田 隆4 (1. 千葉畜総研セ、2. 畜産環境研、3. 加藤産商、4. 農研機構畜産部門)

【目的】養豚の浄化処理水に含まれる硝酸性窒素を除去するため,硫黄酸化脱窒細菌による硝酸性窒素の処理技術に着目した.本技術では,①粉末硫黄に炭酸マグネシウムと界面活性剤を配合した脱窒用粉末資材,②リアクターに粉末資材を投入して底部から通水する上向流型の脱窒リアクターの2つを開発して,通年による処理効果の検証を行った.【方法】養豚活性汚泥処理施設の後段に1m3容量の脱窒リアクターを設置して,資材を540kg充填した.活性汚泥処理後の排水(試験の原水)をリアクター底部から連続的に流入させ,資材層を通過させた後,上部から処理水として排出した.資材容積あたりの水理学的滞留時間は0.1~1.2日,資材単位重量あたりの窒素負荷量は0.14~2.72kg/ton-資材・日で試験を行った.リアクター内の水温は6.4~32.0℃の範囲で推移した.【結果と考察】試験期間中の原水の硝酸性窒素は平均196.4mg/L,処理水は平均104.4mg/Lであり,通年による平均除去率は48.9%であった.一方,窒素負荷量0.4kg/ton-資材・日以下の条件の場合に限ると,平均70%の除去率が得られた.以上のことから,上向流型リアクターおよび炭酸マグネシウム配合粉末硫黄資材の有効性が示唆された.