4:15 PM - 4:25 PM
[V-18-16] 北東北地域で周年親子放牧を実践している農家における子牛の増体成績
【目的】周年親子放牧は,繁殖雌牛とその子牛を放牧対象とし,必要に応じて補助飼料を給与しながら周年で放牧するため,大がかりな牛舎を必要とせず初期投資や必要経費,労力が極力抑えられ収益性が高く,安定した素牛生産に向けて普及への期待が高まっている.今回,冬季の寒さが厳しい北東北地域で周年親子放牧を実践している牧場において,子牛の発育状況等を調査したので報告する.【方法】岩手県北部で周年親子放牧を実践しているK牧場において,約2年間,計24頭の子牛の体重測定を毎月行った.その間,子牛の採食行動を2回調査した.放牧地については植生調査を,補助飼料等については聞き取り調査を実施した.【結果と考察】調査時のK牧場周辺の平均気温は9.5度で,冬季の最低気温は-16.5度であった.放牧地はケンタッキーブルーグラスが優占しており,子牛への補助飼料は,夏季はロールサイレージと配合飼料,冬季はさらにコーンサイレージを追加していた.平均日増体量は,去勢子牛で1.07kg/d,雌子牛が0.94kg/dであり,特に冬季出生子牛(12月~2月生まれ)については,去勢子牛が1.13kg/d,雌子牛が0.93kg/dで,冬季以外の出生子牛と差はなかった.また,3ヵ月齢未満の子牛でもクリープ柵を通って配合飼料を採食していた.厳冬期に子牛を屋外で飼養しても十分な日増体量を確保できていた.