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[V-18-15] 放牧牛の行動予測に必要なデータのサンプリング間隔がノルム波形に及ぼす影響
【目的】IoTやAI技術を活用して,ウシの行動推定が試みられている.本研究では,耕作放棄地における放牧牛の省力的な健康監視を目指し,放牧牛の行動予測に必要なデータのサンプリング間隔がノルム波形に及ぼす影響を調べた.【方法】黒毛和種繁殖雌牛2頭を供試した.これら供試牛に首輪型の行動センサを取り付け,平坦な人工草地に放牧した.行動センサには加速度計が内蔵されており,25Hz間隔でウシの動きを記録した.行動センサによる記録と同時に,個体追跡法に従って,放牧牛の行動をハンディタイプのビデオカメラを用いて,連続録画した.放牧実験終了後,記録された3軸加速度データはノルムに変換し,グラフ化した.録画した行動データは,実験者が目視で4つの行動(摂食,休息,反芻,歩行)を連続観察し,前述のノルムデータと紐づけした.ノルムデータは,25Hz,12.5Hz,6.25Hzのサンプリング間隔でグラフ化し,各行動のノルム波形から,各行動の分類を試みた.【結果】反芻の特徴である咀嚼,嚥下,吐き戻しの動きが25Hzと12.5Hzでは明瞭であったが,6.25Hzでは曖昧であった.他の行動も25Hzと12.5Hzとの間では,グラフ化したノルム波形に大きな違いは認められなかった.以上より,ノルム波形から行動を分類する最適サンプリング間隔は,センサの電池寿命を考慮すると12.5Hzであることが示唆された.