The 126th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

Wed. Sep 18, 2019 3:35 PM - 4:45 PM 第V会場 (6番講義室)

座長:矢用 健一(農研機構畜産部門)、平田 統一(岩手大農)

3:55 PM - 4:05 PM

[V-18-14] ヒツジの羊毛食い行動発現に及ぼす社会要因の影響

*竹田 謙一1、樽井 真帆2、黄 宸佑2,3 (1. 信州大学術研究院農、2. 信州大農、3. 現、農研機構畜産部門)

【目的】ヒツジの羊毛食い行動は異常行動であり,抑制すべき行動の一つである.演者らは,羊毛食い実行個体から逃避せず,受容し続ける個体の存在を明らかにしてきた.本研究では,羊毛食い行動発現に及ぼす群内での社会順位,近接関係の影響を調べた.【方法】本学で飼養しているフライスランド種成雌ヒツジ2群(A群12頭,B群15頭)を供試した.供試群はそれぞれ24m2のペンで一群で管理された.各供試群には,8:30と15:00に1kg/頭のコンパクトベール乾草,15:20に350g/頭の配合飼料が給餌された.A群では,午前と午後の給餌前後,それぞれ2時間,計8時間/日,延べ16日間,複数個体追跡法に従い,群内で発現した羊毛食い行動および敵対行動を連続観察し,それらの回数を記録した.群内における順位は,敵対行動の観察結果から得られた勝率に基づき,Dominance value法によって推定した.B群では,夕方の給餌後,2時間/日,計16日,自動撮影カメラを用いて群内の近接関係を15分間隔で記録し,群内の羊毛食いは複数個体追跡法に従い,群内で発現した羊毛食い行動を連続観察し,それらの回数を記録した.【結果】A群の観察において,羊毛食い行動発現は群内における社会順位との相関がなかった.B群の観察において,羊毛食いを交わした個体関係と,群内における各個体の近接関係との間に相関はなかった.