日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

7. 畜産経営

畜産経営

2019年9月18日(水) 16:45 〜 17:25 第V会場 (6番講義室)

座長:髙橋 俊彦(酪農大循環農)

16:45 〜 16:55

[V-18-19] 兵庫県産黒毛和種の枝肉単価に対するモノ不飽和脂肪酸割合及び細かさ指数の影響

*小浜 菜美子1,2、秋山 敬孝3、大山 憲二2 (1. 兵庫農技総セ北部、2. 神戸大院農、3. 朝来家保)

【目的】脂肪の質を表すモノ不飽和脂肪酸(MUFA)割合や脂肪交雑形状を表す細かさ指数が,兵庫県産黒毛和種の枝肉単価に与える影響を検討した.【方法】2013年5月から2018年10月に神戸市中央卸売市場西部市場に出荷され,食肉脂質測定装置及びミラー型牛枝肉横断面撮影装置でデータ測定した6,564頭について,枝肉単価を目的とした分散分析を行った.分析はJMP®13を用い,モデルには販売日,性別,と畜月齢,枝肉格付7形質,MUFA割合及び細かさ指数(ロース芯面積に対する細かな脂肪交雑粒子数の割合)を組み入れた.なお,瑕疵を持つ枝肉データは分析から除外した.【結果】分析の結果,自由度調整済み寄与率は0.84(p<0.0001)で,皮下脂肪厚以外の全ての枝肉形質が有意な影響を与えていた.F値はBMS,販売日,と畜月齢,ロース芯面積,バラ厚,枝肉重量,性別,BCS,MUFA割合,BFS,細かさ指数の順で高く,標準偏回帰係数はMUFA割合0.02,細かさ指数0.01と,どちらも枝肉単価に対し正の回帰を持つことが分かった.さらにデータをBMSで4区分(5以下,6-7,8-9,10以上)し,分析したところ,MUFA割合は6‐7及び8‐9,細かさ指数は10以上で有意な効果が得られた.MUFA割合および細かさ指数の上昇は,特にBMSの高い枝肉において経済的価値を高める可能性が示された.