日本畜産学会第126回大会

講演情報

口頭発表

7. 畜産経営

畜産経営

2019年9月18日(水) 16:45 〜 17:25 第V会場 (6番講義室)

座長:髙橋 俊彦(酪農大循環農)

17:15 〜 17:25

[V-18-22] 乳牛における集団型および個別型哺乳ロボットを用いた哺乳の有効性の検討

*金子 紘野1、一條 俊浩1、滝本 宗宏2、安田  元3、西山 裕之2、児玉 賢史2、大井 真紀子4、青野  晃4、兒玉 亜侑美4、伊藤 孝浩5、及川 修5、長澤  亨6、村上 賢二1 (1. 岩手大農獣・産業動物内科、2. 東理大、3. オリオン機械 、4. 家畜改良セ岩手、5. 岩手農研セ、6. 岩手宮古農業改良普及セ岩泉普及サブセ)

酪農場では作業のロボット化が進んでいる.本研究は従来手作業で行う哺乳作業を集団型(集団ロボ)と個別型哺乳ロボット(個別ロボ)化について検討した.対象は3農場でA農場は従来の集団ロボを用いて70日間哺乳を行った134頭,B農場は従来の手哺乳を行った44頭と個別ロボで60日間哺乳を行った162頭,C農場は分娩直後から個別ロボで約30日間哺乳を行った後,集団ロボで30日間哺乳した7頭を用いた.調査対象牛はホルスタイン種メス牛で,採材は生後にロボットで哺乳する前と約1ヶ月齢後,さらに離乳前後の計3回実施した.検査項目は体重,DG,体高,臨床所見,BおよびC農場では一般血液検査を行った.結果,全ての農場で生後間もなくから約1ヶ月齢までの哺乳前期に比較して,その後離乳直前までの哺乳後期のDG(1.4±0.3㎏/日)が高い値を示した.とくにB農場では哺乳前期において手哺乳に比較して個別ロボで哺育した子牛のDG(1.2±0.4㎏/日)が有意に高い値を示した.C農場では個別ロボによる哺乳前期に比較して集団ロボにより哺乳した後期でDG(1.4±0.4㎏/日)が著しく増加した.哺乳期間に軟便や下痢を認めたものがA農場で134頭中6頭,B農場の手哺乳で44頭中1頭,個別ロボで162頭中12頭認められた.以上の結果,個別と集団ロボは乳牛の哺乳に有効であることが示唆された.