The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. Nutrition/Feed science

[P1-37] 飼養条件の異なるウシのルーメンにおける多糖分解酵素活性と微生物群集構造の関係

〇Shuhei Takizawa1, Ryoki Asano2, Yasuhiro Fukuda1, Chika Tada1, Yutaka Nakai2 (1.Tohoku Univ., 2.Niigata Agro-Food Univ.)

【目的】ウシのルーメン内では、ルーメン微生物群集が多糖分解酵素を産生して飼料を分解している。しかし、飼養条件の異なるウシにおける多糖分解酵素活性および微生物群集構造は不明瞭のままである。そこで本研究は、品種・飼料・月齢が異なるウシのルーメンにおける、多糖分解酵素活性および細菌群集構造の関係について解析した。【方法】ルーメン液を以下の4試験区(各3頭ずつ)から経口採取した:(1)黒毛和種肥育牛(22―29か月齢、濃厚飼料比率82%)、(2)黒毛和種繁殖牛(38―109か月齢、濃厚飼料比率0%)、(3)ホルスタイン種搾乳牛(35―92か月齢、濃厚飼料比率32―36%)、(4)ホルスタイン種乾乳牛(21―36か月齢、濃厚飼料比率11%)。16S rRNA V3–V4領域のアンプリコンシーケンスによって細菌群集構造を解析した。また、ザイモグラフィーによって、ルーメン微生物群集のエンドグルカナーゼ活性とキシラナーゼ活性を分析した。【結果】試験区間で細菌の群集構造は異なったが、主要な多糖分解細菌は全てのウシで共通して検出された。また、バンド強度が大きい複数のエンドグルカナーゼ活性とキシラナーゼ活性は,全てのウシから共通して確認された。以上より、品種・月齢・飼料が異なるウシのルーメン微生物群集において、共通して存在する多糖分解微生物が高活性な多糖分解酵素活性を産生する可能性が示唆された。