The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. Nutrition/Feed science

[P1-49] 精神的ストレスが皮膚の脂肪酸組成に及ぼす影響

〇Yume Kitagawa1, Daichi Oikawa2, Kaho Hayakawa1, Kenta Aso1, Kazuki Ikeda1, Daiki Harada1, Maki Ikeda1, Mitsuhiro Furuse1 (1.Kyushu Univ., 2.Nagasaki Univ.)

【目的】皮膚のバリア機能低下による皮膚疾患には、精神的ストレスが一部関与すると示唆されている。本実験は皮膚のバリア機能に重要な脂肪酸に着目し、慢性的な精神的ストレス負荷が皮膚の脂肪酸組成にどのような影響を及ぼすかを調査することを目的とした。【方法】ストレス処理群のマウスに毎朝30分間の拘束ストレスを8日間負荷し、その間の各マウスの採食量を測定した。ストレス処理直後(0日)、1日、4日、7日目に血液及び背部の皮膚のサンプリングを行った。コントロール群においても同様の日程でサンプリングを行った。ELISAで血漿コルチコステロン濃度を、ガスクロマトグラフィーで皮膚サンプルの脂肪酸組成を分析した。【結果及び考察】ストレス群においてコルチコステロン濃度が有意に上昇した。ストレス負荷により、パルミチン酸の有意な増加とオレイン酸の有意な減少が、総飽和脂肪酸組成の増加とそれに相対する総不飽和脂肪酸合組成の減少が確認された。また、Δ-9デサチュラーゼによって不飽和化される脂肪酸組成の有意な増加とΔ-6デサチュラーゼによって不飽和化される脂肪酸組成の有意な減少も確認された。これらのことから、精神的ストレスによる皮膚の脂肪酸組成への変化には、脂肪酸代謝関連遺伝子が関与する可能性が示唆された。また、精神的ストレスにより促進する異化反応には、不飽和脂肪酸が使用されやすいものと推察された。