The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. Nutrition/Feed science

[P1-48] ブタにおける国産子実トウモロコシの消化性、嗜好性およびその給与による肉質への影響評価

〇Akane Ashihara1, Aiko Ishida1, Hideyuki Ohmori1, Hiroaki Inoue1, Nobue Kanematsu1, Hitoshi Murakami1 (1.Institute of Livestock and Grassland Science, NARO)

本研究は、国産乾燥トウモロコシ(国産)およびトウモロコシ子実サイレージ(サイレージ)の①消化性、②嗜好性およびその給与による③肉質への影響について、輸入乾燥トウモロコシ(輸入)と比較して評価することを目的とした。①育成豚を供試し、指標物質として酸化チタンを混合して、国産、サイレージおよび輸入の消化率を算出した。その結果、国産の粗タンパク質消化率が輸入よりも有意に低く、サイレージの粗脂肪消化率が輸入および国産よりも有意に低かったものの、TDNおよびDEともに各飼料間で差がなく、国産およびサイレージの栄養価は輸入と同等であった。②肥育後期豚を供試し、国産、サイレージ、輸入の嗜好性を評価した。その結果、サイレージの飼料摂取量が有意に多く、国産および輸入の摂取量は差がなかったことから、サイレージの嗜好性が最も高いことが明らかとなった。③肥育後期豚を供試し、国産、サイレージ、輸入の給与による肉質への影響を検討した。その結果、肉質分析結果は各飼料間で統計的な有意差はなかったものの、分析型官能評価では国産が輸入と比較して多汁性ややわらかさの数値が有意に高かった。

以上から、国産やサイレージは輸入と比較して栄養価に差はなく、サイレージは嗜好性が高い飼料原料として利用でき、また国産を給与することで輸入より多汁性に富んだやわらかい豚肉が作出できる可能性が示唆された。