ご挨拶
九州大学農学研究院 古瀬 充宏

最後の春の大会として、来る3月27〜30日に日本畜産学会第128回大会が九州大学の主催で行われます。2000年以降では2006年3月の第106回大会と2016年8月の第17回アジア大洋州畜産学会議(AAAP)を九州大学が担当してきました。2018年に箱崎キャンパスから伊都キャンパスへの統合移転が完了したため、お披露目の意味も込めて新キャンパスで大会を開催することを予定して準備を進めておりました。
しかしながら新型コロナウィルスの影響を受け、大学の施設を利用することが困難となりました。2020年3月に予定されていました京都大学による日本畜産学会第127回大会の中止により、第128回大会も中止とすると空白期間が長くなるため、WEB会議の形式で開催することといたしました。日本畜産学会の大会としては初めての試みとなり、どのような準備が必要かを含めて実行委員会で議論を進めている状況にあります。
当初、開催を予定していました伊都キャンパスのある糸島半島は福岡県北西部に位置し、一帯は古代の伊都国があった場所とされ、玄界灘に面した沿岸一帯は玄海国定公園に指定されています。糸島半島は観光地として発展する反面、野菜・果樹・花卉の栽培が、海沿いでは沿岸漁業や養殖業など漁業が盛んに行われ、畜産業を営む農家も大学周辺に数多くあります。別の機会に来学いただけたらと考えます。
環境変動による暑熱ストレスや集中豪雨による損害、さらに、豚熱による直接的な生産性の低下や新型コロナウィルスを原因とする消費低迷と非常に厳しい現実が畜産界に突きつけられた昨今ですが、新たな知見の発表と共に未来に向けた取り組みの提案を行う場になれば幸甚です。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。