The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. Genetics/Breeding

[P2-24] 全ゲノムシークエンスを用いた関東甲信3県のニホンイノシシ集団の遺伝的多様性の比較

〇Ayumu Komiyama1, Yukimizu Takahashi1, Tsutomu Furukawa3, Amano Takashi3, Eiji Kobayashi4, Kou Nomura2 (1.tounodaiinnou, 2.tounoudainou, 3.yamazakidoubutukangodaikango, 4.noukenkikouchikusanbumon)

【目的】

ニホンイノシシの全塩基配列を解読し、変異箇所をリストアップすること、県による遺伝的構造の違いを見出すことを目的とした。

【方法】

ニホンイノシシ耳片からDNAを抽出し、群馬、茨城、長野の県ごとに雄12~14個体をプールし、それぞれ全塩基配列を解読した。解析データから、ブタの全ゲノムデータ(Sscrofa11.1)をリファレンス配列としてニホンイノシシの変異箇所を抽出し、各県の変異箇所数を比較した。

【結果】

各県ともゲノムサイズの30倍程度の塩基配列データが得られ、群馬で20,149,180箇所、長野で19,538,733箇所、茨城で18,332,304箇所の変異が確認された。このうちSNPは群馬で17,146,873個、茨城で15,492,412個、長野で16,554,947個であった。次に、他の県で変異型のみが観察され、その県のみでレファレンス配列と同じ型が観察されたSNPを確認したところ、群馬が1,335,752個、長野が457,004個、茨城が206,233個であった。これら結果から、ニホンイノシシの変異箇所が把握されるとともに、地域ごとに異なる遺伝的特徴があり、群馬のサンプルは他の2県と大きく異なる遺伝的構造をしていることが示唆された。